こどもの街 (キッズプラザ大阪) (1997)
設計:F.フンデルトワッサー
* フンデルトワッサーらしい味のある線による模様と形態 * 幼児には格好の探検世界
ここでは最初に少しだけキッズプラザのあるビル全体について述べ、 次に4F〜5Fにある「こどもの街」について解説する。 キッズプラザ大阪は、梅田に近い扇町公園の北東端にあって、安井建築設計事務所によるものである。 扇町公園の北東角にあって、西から入ればキッズプラザ、東から入れば関西テレビ本社となっている。 四角い四隅にアクセントを置き、表面の処理と相俟って、 何階だか分からない特別の建物という雰囲気をあたりに放射している。 公園の中の位置関係を意識しているのだろう、公園から見るとイメージ的な収まりが良い。 近づくとさすがにちょっと上の部分が大味だと感じたが、 子供のためのとっておきの場所の演出としては悪くないと思う。
ただ内部のエントランスロビーが、子供の施設としては大きすぎる。 これは通り抜けする人を意識したらしいのだが、 ここの最大の「お客さん」が幼児だとしてみれば、 あんなに天井を高くする事の必要性が感じられない。 幼児からみたスケール感を逸脱している。 恐らくはビルが関西テレビ本社でもあるという事と関係しているだろう。
さて4〜5Fの「こどもの街」は、吹き抜けていて、 フンデルトワッサーがデザインした不思議な建物や手書きっぽい曲線で溢れている。 小学校以前の幼児からみれば、この広さでも充分に一つの「世界」になるに違いない。 不思議な通路・行き止まり・コーナーなど探検に格好だし、 このニョキニョキ生えたような縦線や形態の面白さは、 幼児にもここが特別な世界である事を感じさせるだろう。 天井が迫ってくるし、視線が漂うところが全てフンデルトワッサーの意匠だから、 全体が包まれたような感じがする。 子供は思う存分浸れると思う。 まァそんな事を言いながら、私が幼児になったつもりで楽しんでいる。 何と言ってもこの手書きの線、機械的でない暖かみのある線が良い。 タイルがガウディっぽくもあるが、 とにかく安っぽくならないところがさすがフンデルトワッサーである。
全体の基本構成はシンプルで、4〜5Fの真ん中に塔が立っている。 そこから周りに道が伸びていて、滑り台とか縄ばしご的な道もある。 周囲には子供のキッチンとか何種類もの体験学習コーナーが配されている。 作っているフンデルトワッサーも楽しかったに違いない。 ただ狭いので気が籠もりがちである。あくまで幼児のスケール感覚に合わせた空間だ。 それから、ここに入るのに大人は1,200円もいるのは解せない。
掲載誌: 新9711 所在地: 大阪府大阪市北区扇町2-1-7 行き方: 扇町公園の北東角 ここでの分類: 他 訪問年月日: 03/01/24 参考: その他情報: http://www.kidsplaza.or.jp/、(06)6311−6601、M阪26
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